タンゴちうと「タンゴ冬の終わりに」ちうお芝居が思い浮かぶんや。この「タンゴ冬の終わりに」はちーとばかし涙ぐんでまうお話やし、小さい頃に耳にした「黒猫のタンゴ」のリズムもなんでだかちーとばかし物悲しい気分にならしまへんか? 「タンゴ」の音楽には人の心の奥にゆっくりとしみこんでくる何ぞがあるんやうな気がしまっせ。切へんような、そやけど惹きつけられはる音楽やダンスの魅力とはなんでっしゃろか?
タンゴとは
タンゴとは、独特のリズムの音楽、ダンスのことや。「黒猫のタンゴ」や「団子三兄弟」「赤鬼・青鬼のタンゴ」やらなんやらもタンゴのリズムやし、タンゴのリズムの音楽がやまとでもようけおます。
意外にタンゴのリズムはやまと人に馴染み深いもんのようやけど、そやけどアンタ、それがタンゴであるかどうかを知る人はちびっとのようや。タンゴちうとアルゼンチンタンゴと言い方もするように、南米のアルゼンチンの首都ブエノスアエレスで盛んな音楽・ダンスや。
地球儀でみるとホンマにやまとの裏側の国の文化で、「タンゴ」ちう言葉は、音楽もダンスもぜええんぶひとつのこらずのことを指してるんや。よう聞く「アルゼンチンタンゴ」は、わてたちが一般的に想像する社交ダンスの「タンゴ」とはちーとばかしちゃうもんで、ごっつう古くさかい、生活の中で生まれたもんや。タンゴのリズムがなんとなく物悲しく聞こえるんは、黒人労働者や開拓移民たちの毎日の苦労や切へん気持ちを、ダンスや音楽にぶつけることで生まれたもんやからとちゃうか、と言われとりまんねん。
アルゼンチンタンゴの歴史
南米アルゼンチンでタンゴが生まれたんは、およそ100~150年ほど前やと言われとりまんねん。ブラジルにも近い、南米アルゼンチンのブエノスアイレス周辺の港町には、開拓のためにヨーロッパから移住してきた人々や、アフリカからきた黒人の労働者たち、もともとこの土地に暮らすインディオの人々が集まっとったんや。
新しい土地を新天地として開拓する人々の不安や、そのための労働に対する不満やらなんやらさまざまな思いが、集まったようけの人と文化と混ざりあってできた音楽なんやし、そのダンスがタンゴの始まりや。そういった環境の中うまれたタンゴははじめ、ギターや樽のパーカッションに合わせて、船乗りや娼婦やらなんやらが踊っとったことから、あんまりええイメージはあらへんかったようや。
せやけどダンさん、社交場となっとったさまざまな場所で男女が混ざり合って踊るうち、男女のペアで踊るゆう形になり、そのきらびやかいなイメージとともに発展していったようや。こうしてできた、タンゴは黒人の労働者や、インディオのラテン系のリズムとヨーロッパのクラシカルな雰囲気が上手くまざりあっておる音楽・ダンスといえるんとちゃうでっしゃろか。こうしてアルゼンチンであっちう間に盛んになりよったタンゴに、バンドネオンちうアコーディオンのような楽器が伴奏に加わったことで、よりメロディーがしっかりしたもんに変身していきましたのや。
今では、このバンドネオンはタンゴには欠かせへん楽器となっとりまんねん。その後、タンゴがうまれてから40年ほどした頃にはバンドネオンのほかにピアノも加わり、リズムとダンスがメインやったタンゴに歌詞のある歌が付くようになったんですわ。こうして現在のアルゼンチンタンゴが出来上がっていったんや。
タンゴ・ダンスの種類
タンゴというてやまと人のようけが思い浮かべるダンスは、社交ダンスの「タンゴ」とちゃうでっしゃろか。一般的にタンゴと言われるもんは大きく分けて、3つに分けることが出来まんねん。
■アルゼンチン・タンゴ
アルゼンチンタンゴは、アルゼンチンのブエノスアイリスでうまれここで発展していったダンスとその音楽や。男女がペアになって円を描くように回りながら踊るんや。アルゼンチンタンゴのリズムは、2/4拍子や4/8拍子で踊るもんと3拍子のタンゴワルツと言われるもんやらなんやらがあり、どエライ鋭い感じのあるスタッカートのきいたリズムで打楽器をいれて演奏されはります。
また2拍子で踊る、「ミロンガ」ちうタンゴの踊り方もあり、アルゼンチンの中で素晴らしいとされとる、タンゴダンサーは「ミロンゲーロ」と呼ばれとりまんねん。
■コンチネンタル・タンゴ
コンチネンタルタンゴは、始めにアルゼンチンで生まれた「アルゼンチンタンゴ」が、ヨーロッパに渡り、発展したスタイルのタンゴや。キレと脈動感一杯のアルゼンチンタンゴより、上品な感じになっとりまんねん。バンドネオンやのうてアコーディオンが使われることがようけ、ダンスホールやらなんやらで踊られとりまんねん。
このコンチネンタルタンゴは、クラシカルな音楽もあり社交ダンスのタンゴとしたかて有名や。やまと人が一般的に思い浮かべるんは、このコンチネンタルタンゴが多いようや。
■ショー・タンゴ
アルゼンチンタンゴは、ペアを組んどる男女がお互いの心を通わせてお互いをリードしながら踊るダンスやけど、そやけどアンタ、それが発展して観客に見せるためのダンスになりよったもんを「ショータンゴ」と呼んでおりますわ。ショータンゴは、元々のタンゴの特徴である情熱や切なさを男女の身体を使うてダンスフロアー全体を動きまわって表現してるんや。やから、ショータンゴは見とるだけでも圧倒されるもんがおます。
タンゴを楽しむ
社交ダンスブームの影響もあり、タンゴのレッスンをしてんダンス教室も増えとりまんねん。タンゴダンスを題材にした「タンゴ 冬の終わりに」は、エライ人気のあるお芝居で、使われとる音楽も素敵や。ダンス教室でタンゴのレッスンを受けに行く時間があらへん人そやけど、タンゴ音楽やお芝居の踊りを見るだけそやけど、情熱的なタンゴの魅力が伝わってくる思うで。やまと人で有名なタンゴ音楽の演奏家に「小松亮太」はんちう人がおるんやけど、この人のタンゴ音楽はやまと人にもエライ馴染みやすく、そやけどどエライ心地よい音楽やから、是非いっぺん聴いてみておくんなはれ。タンゴの映画には、「ラスト・ダンス・イン・パリ」や「タンゴ」ちう有名な映画もおます。意外と身近にあるタンゴを楽しんでみてはいかがでっしゃろか。