伊万里(いまり)と聞くと、焼き物で有名な「伊万里焼」を思い浮かべるんとちゃうでっしゃろか。せやけどダンさん、伊万里周辺には伊万里焼の陰に隠れてもうておるんやけど、伊万里牛や唐津城すばらしいもんもぎょうさんおます。また、伊万里のねきには、有田焼で有名な、有田や唐津焼きの唐津やらなんやらがあり、やまとの焼き物の原点が集まっとるといった感じや。焼き物で有名な伊万里には、焼き物の里らしい自然豊かいな風景が広がっとりまんねん。豊かいな自然の中で歴史の香りを感じられはる、伊万里へ行ってみまへんか。
伊万里とは
伊万里は、九州の北西部に位置してん佐賀県にある焼きももん里や。佐賀県には伊万里のほかに焼き物で有名な唐津市(現在は市町村合併により新唐津市)や有田市があり、山間にぎょうさんの窯元が点在してるんや。
■伊万里の歴史
伊万里で焼き物が始まったんは、有田で磁器に色絵付けをする技術ができとったころと、ちびっと遅かったようや。それには、江戸時代の鍋島藩が伊万里で生み出した磁器の技術を他の藩に技術を盗まれへんよう山にかこまれた、伊万里市の大川内山に優秀な職ヤカラを隠したことから、伊万里での焼き物が始まったゆう歴史がおます。
伊万里の山郷で献上品や贈答用のより高級な焼き物を作るために、鍋島藩の保護の下時間と費用をたっぷり使うて作られはった焼き物は、それまでの一般的な伊万里焼から、素晴らしい鍋島様式の磁器をつくりあげたんや。現在、伊万里で焼かれとる、「伊万里焼」は、この「鍋島様式」の流れを受け継いできたもんや。
伊万里と古伊万里・その周辺の焼き物
「伊万里」ちうと、やまとの焼き物として有名な「古伊万里」「伊万里焼」ちう焼き物があげられはるが、その違いはどないなもんやんな?
■古伊万里
古伊万里は、江戸時代伊万里の港、「伊万里津」から出向して運ばれた焼き物のことをで、伊万里焼だけを指すもんやおまへん。せやけどダンさん、古伊万里ちう名前からも、古くさい伊万里焼のことや思われとることが多いようや。
伊万里の港からは、やまと全国に磁器が運ばれとったほか、アチラにもようけ輸出されとったんや。この、古伊万里はヨーロッパで大流行した「マイセン」の元にもなっており、アチラでも「コイマリ」ちう名前は有名や。せやけどダンさん、この「古伊万里」が伊万里焼を含めたぎょうさんの磁器の総称やったことは以外に知られてへんねん。
■伊万里焼
伊万里の歴史にもあるとおり、伊万里焼の原点は有田焼や。有田ではもともと一般庶民が日常的に使用する食器やらなんやらの磁器をようけ作られとったんや。その中から、贈答用やらなんやらに使われる高い技術の必要な磁器を作るために集められはった職ヤカラの長年の苦労の末生まれたのが、現在の伊万里焼の元になりよった「鍋島様式」の磁器なんやこれがホンマに。
■古伊万里になりよった、有田焼・唐津焼
伊万里市の周辺には、他にも、有田焼き、唐津焼、波佐見焼きやらなんやらで有名な場所がぎょうさんおます。これらの地域で江戸時代に焼かれた磁器は、そのようけが伊万里津に集められ出荷されたため、国内外で「古伊万里」と呼ばれることになったんですわ。その中の有田焼にはヨーロッパの名磁器釜「マイセン」を生み出すきっかけになりよった「柿右翼衛門」やらなんやらがおます。
古伊万里の中の有田焼は、西洋人に好まれる白磁器に金・赤・青のきらびやかいな色みで絵付けしたもんや、国内向けに作られはったもんは器の渋みや味わい深さを大事にした皿や茶碗やらなんやら、有田焼の赤絵師と伊万里焼の職人の技術が融合してん鍋島様式のもんも含まれとりまんねん。また、唐津市の唐津焼は、伊万里の港からも出荷されとったんやが、唐津港から「唐」に向けて、ゴチャゴチャゆうとる場合やあれへん、要は朝鮮半島や中国に出荷または、この唐津を通って中国や朝鮮半島のもんがやまとに入ってきたことからこの名前で呼ばれとるようや。唐津を通ってやまと各地に運ばれた、食器やらなんやらの焼き物はエライようけ、現在でも「瀬戸物(せともん)」のことを西やまと地域では「唐津もん」と呼ぶこともあり、当時の名残がおます。
伊万里の窯元
伊万里を訪れたら、焼き物の窯元を見て回るだけでも楽しいもんや。古伊万里の心を受けついだ歴史ある窯元や、初期の伊万里焼の様相を守りつつ現代のヤカラに愛される磁器を作る窯元やらなんやら、ぎょうさんの窯元のなかからいくつかご紹介しまっせ。
■伝作釜(でんさくがま)
もともと、「釜」を作るのが本業やった伝策釜の窯元は、焼き物と料理好きが高じてこの釜を開いたさいです。釜を作るためにやまと中のぎょうさんの釜を見てきた経験があり、伝統的な伊万里焼や有田焼だけにとらわれへんし、素晴らしい作品をずぅぇえええぇぇええんぶ手作り、手描きで行っとりまんねん。
通常は料亭用になる伝作釜の焼き物の質を高めるために、料理人を招いての食事会やらなんやらも開いたさいです。この伝作釜では、ひとつひとつに、想いをこめた新しい伊万里の焼き物を情緒あふれる展示室で見ることができまんねん。
■源右翼衛門釜
初期の古伊万里は、必ずしも上流社会の人々だけのもんやのうて、一般的な庶民オ生活の中に溶け込んやもんやった。そないな庶民の磁器そやけど、轆轤(ろくろ)から上絵付けまで細かくしっかりとした工程で作られとった「古伊万里」を作る先ヤカラの想いを守り続けとるのが創業250年ねきにもなる歴史ある「源右翼衛門釜」や。
多彩な作風で、ファンも幅広く数多いようや。ショールームの作品を見るもんどエライ素晴らしいのやけど、釜に火が入っとる日に訪れると奥から立ち上る釜の煙を見ることができまんねん。立ち上る煙をみながら、伊万里焼の長い歴史を感じることもできるんとちゃうでっしゃろか。
■伊万里陶苑
やまと画からの転身で陶芸家になりよった澤田痴陶人(さわだちとうじん)が提案した窯元で、大量生産やのうて、必要とされる良質な焼き物を手仕事で作り上げていく、ちう方針のもんに作られとりまんねん。澤田痴陶人の作品は、やまとの焼き物ではエライ珍しおます、大英博物館に買い上げられはったちう実績を持っており、この窯元から発表された大皿やらなんやらの作品は、グッドデザイン賞を受賞したこともおます。
焼き物の里、伊万里周辺を歩く
有田焼きで有名な有田には、焼き物のテーマパークや窯元もぎょうさんあり見所満載や。また、福岡に近い唐津市には唐津城があり、城から窯元がぎょうさんある山間の風景を楽しんだり、城内の焼き物の展示も見もんや。この有田から伊万里、唐津と窯元を見て回る人もおおいかおもうんやが、有田町内にはホテルやらなんやらの宿泊施設がおもたよりちびっとのためオノレで見たい窯元を何件か絞ったら、伊万里市や唐津市やらなんやらに宿泊するとええ思うで。
伊万里には伊万里焼き以外にも、伊万里牛や温泉やらなんやら、楽しめるもんがぎょうさんおます。たまには、のんびりと長い歴史の流れに浸ってみまへんか。